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10.1型ノートPC「OneMix5」は出張に最適なエグゼクティブノート

March 15, 2024

著者:AMaGi

One-Netbookの「OneMix5」は、革張りで他のPCとは一線を画す高級感溢れるノートパソコン。主なスペックは第12世代 インテル® Core™ i7-1250U プロセッサー、16GBメモリー、 Intel Iris Xe Graphics 、1TBのSSD、OSはWindows 11 Homeを搭載しています。

今回はテスト機をお借りしましたので、各種ベンチマークを実施して製品の特長や性能を確認していこうと思います。テスト機のため実際の製品とは仕様や性能が異なる可能性があります点、ご了承ください。また前モデルのOneMix4もお借りしましたので要所要所で比較も入れてあります。

 

 

「メタルボディ+革張り」というラグジュアリーなPC

革張りのため一見ノートパソコンには見えない外観

OneMix4Sと外観比較、OneMix5のほうが一回り大きい

皮張りな分、厚みは少し増している

よりラグジュアリーな大人を意識したデザイン

左:OneMix5 右:OneMix4 革張りの分、前モデルより約200g重い

 まずは外観から。「OneMix5」の本体サイズは、幅約231×奥行き約166×厚さ約18.4~21.7mmで、重量は974g、充電器を合わせると1.12kg。メタルボディに革張りのため高級感がかなりあり、画面を閉じた状態だと一見パソコンには見えません。革張りのため OneMix4 より約200g重たくなりましたが、それでも1kgを切っています。軽量さの売りがやや弱くなりましたが、それを補うだけの魅力は十分にあると思います。


以前の OneMix4S と比べて、使用スタイルが大きく変更

ペン入力にも対応(筆圧検知4096段階)

 革張りへの変更にともない、OneMix4S と比べて、随所に仕様の変更がみられます。まず大きな違いは使用スタイル。OneMix4S では画面を360回転させるスタイルでしたが、OneMix5 では画面を折り返すスタイルとなり、変更がスムーズになりました。

視聴スタイルとタブレットスタイルを横から見た様子

サッと変形し、タブレット調に見せられるのも特徴

標準のスタイル、動画視聴時などキーボードを使わない時に向いたテントスタイル、タブレットスタイルと使い方に応じてスタイルチェンジが可能。筆圧検知4096段階のペン(別売)入力にも対応しているため、手書き入力やイラストを描くといった用途にも活躍できます。One-Netbookで販売されている専用ペンはマグネットで本体にくっつくためとても便利でした。どのスタイルがいいかは好みにもよるとは思いますが、個人的には OneMix4S のようなキーボードが背面にくるタブレットスタイルはあまり好きではないため、この変更はうれしいです。

 またデュアルファンによる冷却能力の強化や排気口の位置変更、インターフェース周りが使いやすい位置に配置変更になるなど、多くの違いが見て取れます。スピーカーも背面から両サイドに変更されており、OneMix4S はやや聞き取りづらい印象でしたが、OneMix5 ではかなり聞き取りやすく改善されていました。


画面明るさ 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
輝度(cd/m2) 15 45 86 125 166 204 244 281 320 356 391

画面明るさの調整範囲。ほぼ等間隔で調整範囲はかなり広い

 

 ディスプレーは10.1インチのタッチパネル対応で、解像度は2560×1600、アスペクト比は16:10を採用。動画の視聴やウェブブラウジングといった一般的な用途はもちろんのこと、高解像度パネルのためExcelやクリエーター系のアプリで画面を広く使用することができるのが特徴です。
ベゼルは約5mmとかなり狭いですが、その代償としてWEBカメラが搭載されていません。光沢パネルのため映り込みはありますが、その分画面の発色がいいのがポイント。視野角も良好で斜めから見ても色の変化はほとんどありません。輝度は15~391cd/m2と最大輝度が高いため、明るいところで利用しても画面が暗く感じることはありません。最低輝度もしっかりと下げることができ、ほぼ等間隔で細かな調節が可能でした。画面は約135°まで開くことができ、画面を開くとキーボード部分が手前に傾きキー入力がしやすくなります。

テンキー付きのフルキーボードだが、キー配置は一部特殊

キーボードのバックライトは白を採用

お借りした OneMix5 のキーボードはテンキーレスの英字配列モデルでキーピッチは約18,4mm、キーストロークは1.5mm。バックライト搭載で暗いところでも快適にキー入力が可能です。OneMix5 には日本語キーボードのモデルもあり、写真の日本語配列モデルは OneMix4 ですが、同じような配列になるとのこと。どちらも記号のキー配列が特殊なため慣れは必要かなと思いますが、こういったUMPCは英字配列のモデルばかりですので日本語配列が選択できるのはとても助かります。(※英語キーボードは予約のみ対応)
キーボードの右上にはCapsLock、充電、電源のインジケーターがあります。充電のインジゲータがここにあるので、画面を閉じた状態だと充電状態を確認できないのは少し不便に感じました。

 

左:付属の充電器とケーブル、右:充電器の対応プロトコル

左:付属充電器のPDO、右:実際のネゴシエーション

左:100W出力対応充電器のPDO、右:実際のネゴシエーション

 付属の充電器には変更はなく、45W(20V/2.25A)出力対応のUSB PD 充電器でマルチボルテージ対応。本体とのネゴシエーションは20V、2.25Aで確立されました。100W出力対応の充電器を使用すると20V、5Aでネゴシエーションされましたが、充電速度に変化は見られず、どちらも充電時間は4時間でした。

 PDは相性がでやすいため、20種類程の充電器で充電状態をチェックしましたが、充電器の出力は45W(20V/2.25A)以上を推奨します。それ以下の出力の場合うまくネゴシエーションしなかったり、ネゴシエーションされていても操作をすると充電状態が解除されたりとかなり不安定なものが多かったです。OneMix4 は低出力の充電器にもある程度幅広く対応していたため充電周りは不便になった印象を受けました。

 

 

必要十分なインターフェース

左側面にUSB4 (Type-C)、ヘッドホンマイク兼用端子、microSDカードスロット、右側面にはUSB3.2(Type-C)、電源ボタン(指紋認証対応)

 つぎにインターフェース周り。本体の左側面にUSB4 (Type-C)、ヘッドホンマイク兼用端子、microSDカードスロットを搭載。右側面には USB3.2 (Type-C) 、電源ボタンを搭載しており、電源ボタンは指紋認証に対応しています。薄型モデルのため標準サイズのUSBを直接挿すことはできませんが、 USBは2ポートありますので充電中も拡張性は損なわれません。左右どちらのポートも充電に対応しているため充電ケーブルの取り回しを気にしなくていいのがいいですね。altDPモードにも対応しているため映像出力も可能です。

 

 

多くの作業が快適にこなせる性能

「HWiNFO64」で確認したサマリー。CPUは10コア/12スレッドのCore i7-1250Uを搭載

 そして性能評価。「OneMix5」に搭載されているCore i7-1250UはAlderLakeアーキテクチャのモバイル向けCPU。10コア/12スレッドで、動作周波数は1.1GHz (最大4.7GHz)、TDPは9~29Wとなっています。Uモデルなので省電力を重視しているCPUですね。内蔵GPUは Intel Iris Xe Graphics が搭載され、最新のAV1をはじめ、VP9やH.264、H.265/HEVCといった現在主流の主要なビデオコーデックはすべてサポートしています。

CINEBENCH R23の結果

 まずはCPUの性能から見てみましょう。定番の「CINEBENCH R23」のスコアはシングルが1457pts、マルチが4923ptsという結果になりました。省電力モデルのためTDPの兼ね合いでマルチスコアは伸び悩んでいますが、シングル性能は2年前のデスクトップCPUに迫るスコアが出ており、モバイルプロセッサーの凄まじい進化を感じます。


PCMark 10の結果

 続いてパソコンの総合的なパフォーマンスを見る「PCMark 10」。総合スコアは「4651」という結果になりました。細かく見てみると日常作業の性能を表すEssentialsが「8864」、ビジネスの生産性を表すProductivityが「6906」、クリエイティブ性能を表すDigital Content Creationが「4463」となっています。スコアの基準は、一般的なPC向け:Essentialsが4100以上で快適、オフィス業務や簡単なメディアコンテンツ制作向け:Productivityが4500以上で快適、デジタルコンテンツ編集向け:Digital Content Creationが3450以上で快適です。

 Core i7-1250U は低消費電力モデルながら、あらゆる用途を快適にこなせる性能を持ち合わせているCPUですね。GPU は内臓グラフィックスのため 3D 性能が必要となる Rendering and Visualization Score の項目は数値が低くなっていますがそれ以外は快適な指標をはるかに上回っています。


「CrystalDiskInfo」のストレージ情報。PCIe3.0×4接続の1TB SSDが搭載されている


「CrystalDiskMark」ではシーケンシャルリードが2.5GB/s弱とまずまずの速度がでていた

 メモリー容量は16GBで、クアッドチャンネルのLPDDR5-5200。ストレージはPCIe3.0×4接続の1TBのSSDが搭載されています。製品仕様ではPCIe4.0×4接続のSSDとなっていますので、テスト機のため本来とは異なるSSDとなっている可能性が高いと思います。

 念のためストレージ性能をみるために「CrystalDiskMark」を測定しましたが、シーケンシャルリードが2.5GB/s弱とまずまずの速度。大きなファイルでランダムアクセスの低下がやや見られました。最近の高速なSSDに慣れているとベンチマークの数値は物足りなく感じるかもしれませんが、多くの作業で体感差はほとんど感じないレベルです。


「SanDisk Extreme 256GB」で測定。左:内臓カードリーダー。右:USB3.1カードリーダー「DDREADER-55」
内臓カードリーダーではシーケンシャルの速度が落ちているが、規格上の速度は概ね出ている

 本体にはmicroSDカードリーダーが内蔵されていますので、こちらの性能も手持ちのmicroSD(SanDisk Extreme 256GB)で測定してみました。USB3.1接続のカードリーダーと比較するとシーケンシャルの速度は落ちていますが、これは外付けのカードリーダーがDDR200という特殊な転送モードに対応しているため、内臓のカードリーダーが遅いのではなく外付けのカードリーダーが速いだけです。内臓のカードリーダーでも標準規格のSDR104に対して十分な速度が出ています。カメラから写真の取り込みにも、本体の追加ストレージとしても快適に使える速度だと思います。
また内臓のカードリーダーはUHS-Ⅱ(最大300MB/s)にも対応していますので、UHS-Ⅱ対応のmicroSDであればさらに高速な転送が可能です。

 

 

ある程度ゲームも可能な高性能なグラフィックス


「HWiNFO64」で確認したサマリー。GPUは96EUのインテルIris Xeグラフィックスを搭載

 内蔵GPUは第13世代のインテル Irix Xe グラフィックスが搭載され、最新のAV1をはじめ、VP9やH.264、H.265/HEVCといった現在主流の主要なビデオコーデックはすべてサポートしています。またCore i7-1250Uは上位モデルにあたるためコーデックエンジンを2つ搭載しているのも特徴です。 YouTubeなどの動画ストリーミングや4K動画の再生も問題なく快適に視聴可能ですし、写真編集や軽い動画編集なども問題なくこなせます。

 3D の性能を見るために「ファイナルファンタジーXIV 暁月の終焉」と「ファイナルファンタジーXV」でゲーム性能も測定してみました。「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」も測定したかったのですが、テスト機のためかうまく起動できなかったため省略させていただきます。


「ファイナルファンタジーXIV 暁月の終焉」のHD画質での結果


「ファイナルファンタジーXIV 暁月の終焉」のフルHD画質での結果


「ファイナルファンタジーXV」のHD画質での結果

 ファイナルファンタジーXIV クラスであれば最高設定は難しいものの、設定を少し落とせば快適にプレイすることができます。これよりも軽いゲームやブラウザゲームなどでは全く問題なさそうです。ファイナルファンタジーXV クラスになるとHD画質の軽量品質で「やや重い」判定でしたので厳しい印象です。とはいえ内臓グラフィックスでここまで動けば十分ではないでしょうか。

 

 

消費電力と温度

消費電力の測定にはUSBチェッカーを用いて、実際の消費電力を測定

 最後に動作中の消費電力と温度を測定してみました。消費電力はスリープ時で約1.5W、アイドル時(JEITA 測定法 3.0 準拠)で約5.5W、4K動画視聴時(JEITA 測定法 3.0 準拠)で9~11W。CINEBENCH R23等ベンチマークソフト実行中でも24W(瞬間最大33W)とかなり省電力です。最近の電気代高騰を考えると少しでも電気代を抑えられるのは家計にも優しいですね。

サーモグラフィによる温度測定。4K動画再生時でもほんのり温かくなる程度

ベンチマーク実行中の温度。表面温度はそこまで高くないが、筐体が金属のため熱く感じる

 また動作中の温度も気になるところ。室温25度の環境下で「HWiNFO64」によるCPU温度のモニタリングとサーモグラフィによる表面温度の測定をしてみました。

 CPU温度はアイドル時で40度後半、4K動画再生時は読み込み時に70度近くなったものの再生中は55度前後で安定。ベンチマーク実行時は電源接続時は85度を超えサーマルスロットリングが発生していましたが、電力設定がPL2に切り替わったあとは70度前半で安定していました。バッテリー動作時はやや消費電力が下がるため実行直後は約70度、それ以降は60度前半を推移していました。デュアルファン冷却のため動作温度はしっかりと抑えられていますね。本体表面も4K動画再生時で最大約45度、電源接続時のベンチマーク実行中でも50度以下に収まっていますのでノートパソコンとしてはいたって標準的な温度。ただ筐体が金属のため熱伝導率が高く、発熱している部分を触れるとかなり熱く感じました。キーボード入力をする際手が触れる部分も最大約40度とそれなりに温かくなります。このあたりは筐体も含めた冷却設計のため、しっかりと熱が伝わりうまく放散できていると前向きにとらえるのがいいのではないかと思います。背面も40度後半になりますが、こちらは革素材のためほんのり温かく感じる程度です。

 ストレージ温度もアイドル時で44度、「CrystalDiskMark」実行中でも最大63度とそこまで発熱の大きなSSDではありませんでした。(上記の通り本来とは異なるSSDの可能性があります)

 

 

高性能をコンパクトに持ち運べる完成度の高い1台

単なるパソコンとしてではなく、仕事道具として進化したOneMix5

 最近は1kgを切るノートパソコンも珍しくはなくなってきましたが、一般的なノートパソコンは13.3インチや15.6インチとサイズが大きくなりがち。それに比べて OneMix5 は、10.1インチというサイズはカバンにもスッと入るサイズのため、出張など持ち運ぶ機会の多い人には重さだけでなくサイズも重要なポイントです。
軽量コンパクトながら、性能を犠牲にすることなく、バッテリー駆動時間もJEITA 測定法 3.0 準拠のテストで動画再生時約5.5時間、アイドル時約9.0時間と、長時間の動作が可能です。

 

 革張りのコンバーチブルパソコンと聞くと「HP Spectre Folio」を思い出しますが、本機はまさしくそれをコンパクトにしたパソコン。当時はかなり性能が低かったのでメイン機として使うには厳しい印象でしたが、「OneMix5」は性能も妥協することなく、サイズ、重さ、利便性、そしてデザインにもこだわった1台。仕事用と考えるとWEBカメラがないことが残念ですが、スマホをWEBカメラとして使うこともできるので大きなデメリットというわけではありません。使いたいときに使いたいスタイルで使用できる「OneMix5」、単なるパソコンとしてではなく、仕事道具の1つとして周りとの差をつけたい方におすすめです。

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AMaGi

とにかくパソコンやパソコン周りのことが大好きでみんなにもわたしのようにパソコンを好きになってもらいたい! パソコンのことをもっともっと知ってもらいたい!YouTubeで自作パソコンの説明や、パーツの徹底検証などをやっています。

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