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ジャイアン鈴木
EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。
著者:ジャイアン鈴木
「OneMix4S」OneMix4S Core i3-1210U 149,800円~
小さいマシンって持っているだけでワクワクしますよね!第12世代(Alder Lake)のインテルCoreプロセッサーを搭載した10.1インチ2 in 1 PC「OneMix4S」が昨年12月に発売しました。i3/16GB/512GB(149,800円)、i7/16GB/1TB(188,800円)、i7/16GB/2TB(207,800円)の3構成にそれぞれ日本語キーボード、英語キーボードモデルがラインナップされています。
さて、ゲーミングUMPCであれば迷わずハイエンドモデルを試したいところですが、OneMix4Sはどちらかというと実用モデル。というわけで今回はコスパを重視して、Core i3-1210U/16GB/512GB/日本語キーボードという構成のマシンを借用しました。合わせて前世代の最上位である「Core i7-1160G7」搭載「OneMix4プラチナエディション」を借用。最新世代の標準モデルが、前世代のプラチナエディションと比べて、どのぐらいの性能を発揮するのかという視点からもレビューしてきましょう。
改めてお伝えすると、OneMix4Sには、「Core i3-1210U」(6コア[Pコア×2、Eコア×4]、8スレッド、最大4.40GHz)を搭載する「無印」と、「Core i7-1250U」(10コア[Pコア×2、Eコア×8]、12スレッド、最大4.70GHz)を搭載する「プラチナエディション」がラインナップされています。メモリー容量はすべて高速なLPDDR5-5200の16GBを搭載。つまりCPUのグレードとストレージ容量で差別化が図られているわけです。
製品名称 |
OneMix4S |
CPU |
Core i3-1210U |
メモリ/ストレージ |
RAM16GB/SSD512GB |
価格 |
149,800円(税込) |
製品名称 |
OneMix4Sプラチナエディション |
|
CPU |
Core i7-1250U |
|
メモリ/ストレージ |
RAM16GB/SSD1TB |
RAM16GB/SSD2TB |
価格 |
188,800円(税込) |
207,800円(税込) |
注意点としては内蔵グラフィックスの違い。「Core i3-1210U」は「Intel Core UHD Graphics」、「Core i7-1250U」は「Intel Iris Xe Graphics」を内蔵しており、後者のほうがパフォーマンスは上。ゲームをよくプレイするのなら「プラチナエディション」のほうがよいですね。
これ以外のスペックは共通。ディスプレイは10.1インチLTPS液晶(2560×1600ドット、300ppi、sRGB比100%、リフレッシュレート60Hz、10点マルチタッチ対応、ペン対応、グレア)を搭載。ウェブカメラは内蔵されていません。
インターフェイスはUSB4、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、給電対応)×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、microSDメモリーカードスロット×1、3.5mmイヤフォン端子×1を装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.0をサポートします。
本体サイズは227×157.3×11~17mm、重量は769g。10,000mAhのリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約8時間の動画連続視聴が可能と謳われています。
ボディーはCNC加工が施されたアルミ合金製で、カラーはスペースグレー。質感は高く、造形はシンプル。なかなかの高級感を漂わせています。
天面にはシンプルなロゴが配置されています
背面には吸気口を装備。大きめの冷却ファンが透けて見えますね
ディスプレイは10.1インチLTPS液晶(2560×1600ドット、300ppi、sRGB比100%、リフレッシュレート60Hz、10点マルチタッチ対応、ペン対応、グレア)を搭載
カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したsRGBカバー率は93.0%、sRGB比は102.0%
キーボードは日本語配列と英語配列を用意
本体背面には排気口を用意
右側面には指紋認証センサー一体型電源ボタン、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、3.5mmイヤフォン端子×1、左側面にはUSB4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、給電対応)×1、microSDメモリーカードスロット×1が配置
本体の実測重量は766g
パッケージには本体、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、説明書類(お使いになる前に、保証書、ファーストステップガイド、THANKS CARD)が同梱しています。
ACアダプターの型番は「FC139C」。仕様は入力100-240V~1.5A、出力5V 3A、9V 3A、12V 3A、15V 3A、20V 3.25A、3.3-11V 5A(PPS)、容量65W。
USB Type-Cケーブルの長さは実測120cmで、ACアダプターとUSB Type-Cケーブルの合計重量は実測114gとなっています。
「OneMix4S」は10.1インチ2 in 1 PCとして使い勝手は申しぶんありません。360度回転可能なヒンジ機構は適切な固さで、剛性も確保されています。どの角度でもしっかりと固定できますね。
今回は専用ペンを借用できなかったのですが、手持ちのペンをいろいろ試したらMicrosoftの「Surfaceペン」を利用できました。自己責任とはなりますが、Microsoft Pen Protocol対応のデジタイザーペンなら利用可能だと思われます。
360度回転するヒンジ機構を備えており、ノートブック、スタンド、テント、タブレットモードの4つのスタイルで利用できます
製品公式サイトには「別売り専用ペンのみサポートしています」と記載されていますが、Microsoftの「Surfaceペン」を利用できました
キーボードはキーピッチが18.5mm確保されており、打鍵感も良好。「0」キーの横に「-」キー、「M」キーの横に「,」と「.」キーが配置されており、Enterキーも大きめ。少し試し打ちしたら、特に詰まることなくタッチタイピングできるようになりました。さすがにフルスピードとはいきませんが、このサイズのPCとしては十分快適なキーボードです。
キーピッチは18.5mm
手の長さ20cmの筆者にはやや窮屈ですが、少し試し打ちしたらタッチタイピングできるようになりました
白色のキーボードバックライトを内蔵。記号キーの配置を暗闇でも確認できます
最後にパフォーマンスをチェックしてみましょう。今回は「Core i3-1210U/RAM16GB(LPDDR5)/SSD512GB(PCIe Gen3 x4接続)」というスペックの「OneMix4S」と、「Core i7-1160G7/RAM16GB(LPDDR4)/SSD512GB(PCIe Gen3 x4接続)」というスペックの「OneMix4プラチナエディション」を借用し、ベンチマークを実施しました。下記が検証機の仕様とその結果です。
OneMix4S | OneMix4プラチナエディション | |
---|---|---|
CPU | Core i3-1210U | Core i7-1160G7 |
内蔵GPU | Intel Core UHD Graphics | Intel Iris Xe Graphics |
メモリー | 16GB LPDDR5 | 16GB LPDDR4 |
ストレージ | 512GB PCIe Gen3 x4 | 512GB PCIe Gen3 x4 |
OS | Win 11 Home | Win 10 Home |
「HDiNFO64 Pro」で取得した「OneMix4S」のシステム概要
CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」については、「OneMix4S」が「OneMix4プラチナエディション」の約96%相当のスコアにまで迫りました。CPUの世代が異なるとは言え、Core i3がCore i7をCPU性能で脅かしたわけですから注目すべき結果です。
CINEBENCH R23
一方3Dゲーム「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」では、「OneMix4S」が「OneMix4プラチナエディション」の約84~88%のスコアに留まりました。内蔵グラフィックスは、「Core i3-1210U」が「Intel Core UHD Graphics」、「Core i7-1160G7」が「Intel Iris Xe Graphics」を搭載しています。一般ビジネス用途には十分なグラフィックス性能ですが、3Dゲームをプレイするなら「Core i7-1250U」を搭載する「OneMix4Sプラチナエディション」を狙いたいところです。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3
ストレージ速度については、「OneMix4S」が「OneMix4プラチナエディション」に対して、シーケンシャルリード(SEQ1M)で約189%相当、シーケンシャルライト(SEQ1M)で約146%相当のスコアを記録しています。どちらもPCIe Gen3 x4接続のSSDを搭載していますが、「OneMix4S」はより高速なパーツが選定されているようです。
CrystalDiskMark 8.0.4
バッテリー駆動時間については、ディスプレイ輝度50%でバッテリー残量9%までという条件でYouTube動画を連続再生したところ、「OneMix4S」が4時間16分42秒(15402秒)、「OneMix4プラチナエディション」が4時間55分40秒(17740秒)動作しました。
本来であればバッテリー残量5%まで計測したかったところですが、今回は試作機のためかバッテリー残量9%までしか計測できませんでした。もちろん、バッテリー残量0%まで計測すれば、両機種とももっと長いスコアを記録したことでしょう。
とは言え、厳しい条件でこれだけ動作するのであれば、モバイル用途に十分なバッテリー駆動時間と言えます。なお、「OneMix4プラチナエディション」についてはバッテリーが経年変化している可能性が高いので、あくまでも参考に留めてください。
YouTube動画を連続再生
今回借用した無印の「OneMix4S」は、一般的なビジネス用途であれば十分なパフォーマンスを備えつつ、149,800円という低価格を実現。また4つのスタイルで利用できる2 in 1 PCでありながら、769gという軽量ボディーを達成しているのも注目ポイントです。1kgを大幅に下回る軽量マシンをできるだけ安価に入手したい方にとって、無印の「OneMix4S」は非常に魅力的なマシンと言えます。
ジャイアン鈴木
EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。